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2006/05/27//Sat.
それから私たちは、静かに愛し合った。完全な性愛は望むべくもない、永遠にそうするしかないやり方で。 | |
彼のお腹はガラスのように青白く滑らかで、私の唇を映し出すようだった。そして、飛燕草のような陰毛は、小動物(たとえば子うさぎ、彼は卯年生まれだった)のように生温かくて、甘い、アドレナリンのにおいがした。
片手で自分の陰部をまさぐる。それはゆっくりと膨張し、熱を帯びる。指と唇が滑ってゆくところに、青白い火花が散る。唾液に濡れた口が、優しく軽やかに接吻を続ける。
混乱、空虚、心残り、不安と恐れ、いっさいが彼方に遠ざかった。いままでこんなに狂おしく人に接吻したことはなかったような気がした。どうしてこんなふうになってしまったのかさえ、わからなかった。
確かに、彼こそが私の失われていた幸福そのものだった。私の生命の燃えさかる炎であり、自己表現の証であり、言い知れぬ喜びであると同時に、苦しみそのものだった。古代ペルシャの花園のうちに咲く、錬金術によって再生された、たぐいまれな美しさを湛えた薔薇。永遠に手の届かない薔薇。
彼が果てると同時に私もオルガズムを迎えた。私は愛液にまみれた指を抜き取り、自分のありのままの匂いを嗅いだ。その私の指を彼が咬み、吸った。
「甘いね。麝香の味が少しして、ウイキョウとシナモン入りのアヒルのスープのような味もするよ」彼は長い息を吐き、寝返ると、ほどなく深い眠りにおちていった。私の指をしっかりと握ったまま。
『中国で発禁となった』のが売りの作品である。旧態然とした中国の規制が想像に難くない。日本だとコバルト文庫の読者でも読み流してしまうかもしれない。
愛しているのに性愛と一致しない、あるいは愛と呼ぶほどの感情でもないのに性愛の相性が良いということはありえる。
イケメンで良い身体してるのに、おいしくないんじゃないのかなぁ・・って思える人もいる。骨盤当たって、痛いよ~・・みたいなね。
満足の基準をどこにおくか、なのだろうね。