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前略 祥子様、お元気でしょうか。 あの頃、梶原さんの周りには女性がたくさんいましたけど、梶原さんはあくまでも紳士というスタンスをとっていて、もう男と女の付き合いはしないと公言していらっしゃいました。 ですから私もこうなるなんて夢にも思っていませんでした。 それがあるパーティーで、何のお話からだったのでしょう、異性経験の話になって、みなさんの告白がはじまったのです。 たぶんみんな蠱惑的な音楽とお酒に酔っていたに違いありません。 真偽のほうは定かではないのですけど、梶原さんは、名前は伏せて過去の数人の女性のお話をされましたし、あの裕子さまでさえ、結婚が決まって数人の男性と遊んだとおっしゃいました。 さすがに私だけが黙っているわけにもいかずに、私は主人だけだと正直にお話しいたしました。 |
すると、みなさんたいへん驚かれて信じないわとおっしゃるのです。 私はみなさまのおっしゃることのほうが信じられませんと申しました。 すると、そういう私を『かわいそう』と半ば笑い半ば同情を込めた声で言うのです。それは私を動揺させました。 そしてまた、私の背中を押すのに十分な力でもありました。 「一人だけで一生を終わるのは、幸せなことだよ」 重く温かい声でみんなを戒めるような梶原さんの一言で、その場はお開きとなりました。 私は興奮を冷まそうとお庭にでました。 「一人だけしか知らなくて一生を終わるのはいや。」 このときに、私の気持ちは固まったと思います。 夜空を見ながらそんなことを思っていると、梶原さんがさきほどの出来事を気にかけて追いかけてきてくださいました。 「だいじょうぶ?」 「大丈夫です。」 「本当に?」 頷く私の横にいたわるように並びながら、私をのぞきこみます。 やさしそうな声に、つい言葉がでてしまいました。 「私を抱いてください。」 梶原さんはちょっと、びっくりしたようでしたがにっこりして、 「あとで、メールして」 と言い残して、中に入られました。 みんなが中で私を探し始めていたからです。 私を傷つけないようにそう言ったのかしら・・・ 半信半疑でメールすると、すぐに返事がきてだんだん具体的な話になっていきました。 男の方ってうそつきね。 色恋を卒業するなんてありえないって今は思いますわ。 特に「初めての男」になるというのは、とても魅力的なことなんですね。 夜も更けてまいりました、続きはまた。 以子 |
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