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あら、ひさしぶり。 昨日?ええ、ちょっと忙しくてね。 ああ・・あなたお休みだったの。奥さんも一日中でかけてて・・ え? 奥さんにへそくり巻き上げられちゃったって? それはお気の毒ね、暇をもてあましちゃうわね。 会いたかったって・・・あ~? 私が新幹線でそっちに行けばよかったのか。 そうだよね、ホテル代くらい困ったときはお互い様よね。 近くにいい人いればいいのに。 うん? 気に入らない女は据え膳でも食えないって・・ それは光栄ですこと。 毎月一度くらいは会いたい? でもさ、私と休みがなかなか一致しないじゃない。 有給?残ってたかな。 そりゃ当然の権利だけど、あなたは? ああ、そうね無理ね。 あ・・写メとか送ってこなくてもいいから。 好きだろうって・・見慣れてるからだいじょうぶ。 えっとさ・・ちょっと用事あるからまたあとでいいかな? うん。ごめんね。・・・うん。 あ、それから携帯変えるかもしれないから。 うん。 ・・・・ええ・・変わったら知らせる。 うん・・・ |
銀色の機体を光らせて飛行機が滑走路に降り立つのを見ながら、 携帯を切った。 これから到着ロビーにおりれば、彼が出てくるのにちょうどいいだろう。 空港営業所でレンタカーを受け取って、人気の隠れ湯にドライブだ。 今夜の宿泊は客室露天風呂のついた特別室をとってある。 ネットのこの時代、ふたりでHPを見ながら宿もルートも決められる。 費用はいつもつきあってくれるのだからと彼が出してくれる。 彼も私もこのバケーションにあわせてとった休みのために、 昨日は遅くまで仕事を片付けたのだ。 そのせいか仕事先からかと、つい電話をとってしまった。 まさかあの男からだったとは・・・ 番号と名前がすんなり結びつかなかった。 いいかげん自分がどれほど勝手なことを言ってるのか気がついてもいいのに。 あの男は私に溺れて、見境がなくなっているのだと彼は言う。 どうでもいい。 拒否設定を済ませて、携帯の電源を切った。 |
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