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果てしない闇のような錯覚を覚える夜の高速道路を どのくらい走ったのだろうか。 俺は咽の乾きと寒さを覚えた。 自販機コーナーだけが明るい深夜のSAに入る。 シャッターで閉ざされた妙に狭い一角だ。 プシュッと音をたてて開いた飲み物の缶を口に運ぶ。 「寒いですねぇ。」 疲労と緩んだ意識に予想外の声が進入した。 俺が振り返ると、中年の女性が立っていた。 40過ぎくらいだろうか普通の主婦、 近所で出会えばあいさつぐらいはするが、 他のところで出会ったらちょっと見分けがつかない、 そんな感じの女性だ。 夫婦で、どこかへ出かける途中なのだろうか。 無意識にそれらしき人物を探すが、視界に入ってこない。 それどころか、その瞬間俺と女性しかこのスペースにはいないのがわかった。 「ああ。寒いね。」 とりあえず、相槌を打つ。 深夜見知らぬ男に親しげに話かけることは、 思わぬ攻撃をうけないための防御策になるのだろうか。 俺は、さっさと生理的欲求を満たして、立ち去ろうと思った。 「わたしと、温まらない?」 突然の言葉に、俺は間抜けな顔をしたに違いない。 攻撃を受けたのは、俺のほうだった。 |
男子トイレの個室に入るや否や鍵をかけ、 女は俺のベルトをはずしファスナーを開いてペニスを取り出した。 生で口にふくむ。 わざとちゅぱっちゅっぱと音をたてて、 猥らな雰囲気をもりあげる。 壁で囲まれているといっても、いつ誰が入って来るともわからない。 露出趣味などない俺だが、 そのスリルが拍車をかけるのだろうか見事に勃起した。 手馴れた風でゴムがつけられる。 女の舌がまとわりつく、 あま噛みし、上下に添いなであげ、 口の中でころがす。 俺は女の髪に指を入れ、快楽に身を任せた。 ペニスで女の口の中をかきまわし、つきあげる。 もやもやした律動が大きなうねりになり、 やがてとぎすまされ、 一点の出口へと押し寄せる。 女の反応も周りの気配も何も考えずに、ただ放出へと向かう。 「う。」 放出の瞬間、さっき別れをつげてきた彼女の顔が フラッシュバックした気がした。 虚脱感にひたるまいと俺は機械的に身支度を整えた。 金は先に渡してある。 女が何かつぶやいた気がしたが、気に留めずに外へでた。 男子トイレの入り口付近にチンピラ風の若い男がいた。 俺を一瞥すると、目をそらす。 まるでそれが合図のようにどこから出てきたのか、 入れ違いのように男と女が入って行く。 駐車場の端にひっそりとミニバンが止めてあるのが見えた。 数人の女を乗せてSAに商売をさせに来ているのだろう。 若い男は女が逃げないように見張っているのか、 悪質な客を見張っているのかわからない。 「最低だな。」 俺は小さな乾いた声で笑った。 どういった事情にせよ、売春させられる女の人生を。 それを買う馬鹿な男を。 しかも・・・ その男は恋人の葬式の帰りだというのだから、 笑わずにいられない。 恋人の心の闇を追い払ってやることができずに、 自ら命を絶たれて、残された者がやることがこれかよ。 柚子葉・・ お前は残される者のことなど思いもしなかっただろうな。 俺がこんな馬鹿な行動をとるなんて、 こんなにもお前を愛していたなんて、 もはや知ることはないんだ。 |
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