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2006/06/09//Fri.
「いいね。お前の苦しそうな顔。すげえ勃つよ」 シバさんは無造作に手を放し、パンツとトランクスを脱いだ。寝台に上がり、まだ意識が朦朧としている私の肩の上に膝をつき、チンコを差し出す。 | |
シバさんの両脚には龍が一匹ずつ泳いでいた。私は無意識のうちにチンコを手にとってくわえていた。すっぱい匂いが口の中に広がった。春夏秋冬の中で夏のセックスが一番好きなのは、この汗とアンモニアの混ざった匂いが好きだから、というのもある。
シバさんは私を無表情のまま見下ろし、私の髪を鷲づかみにして引っ張った。顎をガクガクと前後運動させてると、濡れてくるのが分かった。どこを触られた訳でもないのに濡れるなんて、便利なもんだ。
「なあ、アマってどんなセックスすんの?」
シバさんはそう言って腰を上げた。
「ん?ノーマルだけど?」
ふうん、と頷きながらシバさんは自分のベルトをパンツから引き抜いて、私の手首を後ろで縛った。
「欲求不満になんない?」
(略)
「いれて」
そう言うとシバさんは太股でぬぐった指を私の口に押し込み。口の中をまさぐった。
「まずいか?」
シバさんの言葉に頷くと口から指を引き抜き、そのままマンコにいれ、また口の中に戻し、口の中をまさぐった。チンピラの口の中を探るアマの姿がフラッシュバックした。
「苦しいか?」
同じようにまた頷くとシバさんは指を抜き、私の頭に手を当てて荒々しくシーツに押しつけた。顔と肩と膝で体を支えると、下半身がガクガクした。
「お願い、早く入れて」
うっせーな、シバさんはそう吐き捨てて私の髪をつかみ、枕に押しつけた。シバさんは私の腰を高く上げるとマンコに唾を吐き、また指で中をグチャッとかき混ぜるとやっとチンコを入れた。
はじめからガンガン奥まで突かれ、私の喘ぎ声は泣き声のように響いた。気づくと本当に涙が流れていた。私は気持ちがいいとすぐに涙がでる。満たされていくのが分かった。
シバさんは突きながら私の手首を縛っていたベルトを外し、私の手が自由になると勢いよくチンコを抜いた。抜かれた瞬間、また一筋涙がこぼれた。シバさんは私を上に乗せ、私の腰をつかんで揺さぶった。マンコ一帯がシバさんの肌と擦れて痺れていた。
「もっと泣けよ」
シバさんの言葉に、また涙が伝った。私は短く「イク」と呟き腰をガクガクと震わせた。イッた後、満足に動けないでいるとシバさんはめんどくさそうに私を押し倒し、上になった。
シバさんは深く、強くピストンして私の髪をつかんだり、首をしめたりしてひとしきり私の苦しむ顔を楽しむと「いくよ」と言った。あのピアッサーを持って言ったときと同じだった。短く、抑揚のない声、ぐっと深く入れて、引き抜き、私の口の中に射精した。
芥川賞受賞作品である。
ずいぶん若い受賞で、かなり騒がれたので記憶に新しいかもしれない。
「風俗しても生きてやるというのと、風俗するぐらいなら死んでやるというのと、どちらが健全なんだろう」という一節には考えこんでしまった。
そこはその人の価値観であって、美学なんだろう。